未来のマンションを考える─建物と人の高齢化─
「シンポジウム」(社団法人高層住宅管理業協会主催)

 社団法人高層住宅管理業協会の設立30周年記念講演会が昨年11月9日に東京、11月25日に大阪で開催されました。協会理事長、黒住昌昭氏の基調講演に続き行われた「未来のマンション生活を考える〜マンションの居住者、建物の高齢化対応を通して〜」をテーマとするシンポジウムにおいて長谷工コミュニティ大高進社長がパネリストの一人として参加、講演を行いました。

 はじめに司会を務める明海大学不動産学部教授、齊藤広子氏から日本ではマンションの永住志向が50%を超え、建物と人、2つの高齢化が進行するなかで管理業の果たす役割の重要性が高まるとの指摘がなされ、4名のパネリストがそれぞれに法整備の現状や管理業務の課題について考えを述べました。

 国土交通省総合政策局不動産業課長の海堀安喜氏は「高齢化の急激な進展にあたり、平成21年5月20日に高齢者の居住の安定確保に関する法律が一部改正。国土交通省と厚生労働省が連携し住宅と福祉の両面から高齢者の住まいの対策を総合的に進め、高齢者の住み替え支援制度などの充実を図っていく」という行政の方向性を説明。

 高齢者向けマンションの建設に経験と実績を持つ中銀インテグレーション社長渡辺蔵人氏は、「高齢者が有料老人ホームなどの介護付施設を選択する場合でも、サービスそのものを受けるというよりコミュニケーションを図りたいと考えている場合が多い。管理もこれからは一人ひとりの気持ちに寄り添うきめ細かな管理がますます求められてくる」との考えを示しました。

 大高社長は「マンションは住む人の高齢化にしたがって変わっていく必要がある」との見識に立ち、日本のマンションの歴史とともに積み重ねてきた管理業としてのノウハウをもとに『人の高齢化と建物の高齢化に優しい改修事例と今後の課題』をハード、ソフトの両面から解説。今後取り組むべき課題として生きがい・充実感の創出のため、世代を超えた居住者間のコミュニケーション創りが最も重要と提案しました。

 最後に関西大学環境都市工学部建築学科専任講師の馬場昌子氏は「マンションに住み続けながら高齢期を迎えるためには行政との連携も視野に入れた持続可能な仕組づくりも必要です。たとえば自立と共生のための地域コミュニティの拠点、地域の絆を基本とした『新たな公』と言うべきもの。行政に頼るまでではないが支えがほしいという場合など、元気な高齢者のパートナーとしての管理会社の役割に大きく期待したいと思います」。

 

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